東京都立戸山高等学校は、授業日数を確保し損ねている


 東京都立戸山高等学校というのは、早稲田にある進学校ですね。偏差値でいうと70くらいだとか。なにも国語や数学、英語は自校作成問題を入試で採用しているといいます。
 そして、これはホームページを見ればわかるのですが、授業日数を確保するために、土曜授業の実施、そして夏休みを短縮し、8月下旬から授業を始めているとなっています。

 しかしこの高校、致命的なミスを犯しているのです。定期テストの日数がやたらと多いのです。

 1年生、2年生は1回につき4日の定期テストを年5回、3年生は1回につき5日の定期テストを年4回やっています。つまり、年間で20日も定期テストに費やしているのです。8月下旬から2学期の授業が始まるとありますが、8月の最後の週から始めています。つまりせいぜい8月は4日か5日くらいしか授業日数がありません。1回の定期テストで費やす日数を3日とか2日に減らせば、このくらいの授業日数など余裕で確保できてしまいます。
 東京都立戸山高等学校は、下手に定期テストに日数をかけすぎており、授業日数を確保し損ねているのです。

 なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか?

 これはずばり、科目数が多すぎる点にあります。管理人が千葉県立千葉高等学校の生徒だったときも、定期テストは1回につき4日かかっていました。しかも期末指導というのもあって、これは単刀直入に言えば答案返却日。2日で終わるだろ、とツッコミたくなりますが、これも4日もかかります。ぶっちゃけて言います。自称進学校の場合、定期テストが非効率的で、無駄な日を過ごさせすぎているのです。授業日数を貪欲に確保しようと思うなら、こんないい加減な年間予定表など組みません。千葉県立千葉高等学校ではやりませんが、土曜日に授業をやるなど、もってのほかです。運動部の大会と重なっちゃったらどうなるのですか? これが、3年生の2学期、部活を引退してからだったらわかるのです。

 東京都立戸山高等学校の授業で何が一番の欠陥なのか? と聞かれたら、管理人は間違いなく数学と答えます。高校1年時、週6コマの授業で、数学TA全範囲と数学Uの『図形と方程式』までというのは、あまりにも手抜きすぎです。これは別の項でも述べますが、数学Aをなめてかかっているとしかいいようがありません。そして重い数学Uを早く始めたいと焦るばかり、肝心の数学T『2次関数』をあまりの手抜き授業で進めています。こんなことでは数学Uははじめからついてこれませんw
 そして高校3年では、申し訳なさそうに数学TAUBの復習の授業というか、センター対策の授業、そして2次対策の授業とそれぞれやるわけです。そしてこれらも、定期テストの科目になっているのです。こんなことでは、定期テストを1日で終わらせるということは不可能であるのは頷けることと思います。授業日数もそれだけ、少なくなってしまいます。


 定期テストを1日で終わらせる、ですか? 『サイエンス∫プリキュア』の舞台となる、大阪府立高槻上牧高等学校ならば十分に可能です。試験科目数は4ないし5です。でもポイントは、次の二つなのです。

・1日で4コマあるいは5コマという試験をおこなう。
・1年生の前期中間試験の範囲は、『数学T』『コミュニケーション英語T』の教科書全範囲である。

 千葉県立千葉高等学校は、定期テストを1日で2コマこなすというやり方を4日続けているのです。3年生の理系は、当時の話になりますが、『現代文』『数学』『英語』『物理』『化学』『地理』と6つの試験のコマが必要になっていたのですが、これも4日でおこなうのです。1日1コマという日が2日あるということですね。楽といえば楽でしたが、『サイエンス∫プリキュア』の世界ではありえません。午前中に3コマ、お昼休憩をはさんで午後に3コマと、そんな日程を組むことでしょう。
 なぜそんなに1日で多くの科目の試験をおこなうかというと、センター試験は2日で8コマの試験をこなさなければならないからです。予備校でやっているマーク模試なんかは、2日かけておこなうセンター試験の予行を1日でやるとか普通です。朝の9時から始めても、終わるのは夜7時とか8時とか平気で起こります。1日1コマの定期テストなんて言うのでは、とてもそんな模試には耐えられないでしょうね。管理人が自分でいうのもなんですが、ホント、センター試験にあっていないのです。

 そしてもう一つ、定期テストの範囲が広いということ。一般的に、定期テストの回数が少ないほど、1回あたりの範囲が広くなる、というデメリットがあるといわれています。しかし管理人から言わせてもらうと、メリットであるのです。なぜか? たとえば数学だったら、文系ならUBまで、理系ならVやらCやらまでですよね。数学全範囲から大学入試って出題されるのです。膨大な量なのです。定期テストの回数が多いと、1回あたりの範囲は狭くなる、でもそれって入試に太刀打ちする力って育たなくなると思うのです。
 皆さんも、範囲が決まっていて、しかも狭い定期テストでは点数をとれるのに、模試になるととれない……という経験はありませんか? それは、一夜漬けでは模試ひいては入試に太刀打ちできないということなのです。定期テストの範囲が広くなりすぎないようにと、定期テストを年5回実施している高校が多いのですが、もう年5回は多すぎなのです。多くて4回、3回実施するような日程にしないとだめです。1回あたりの定期テスト範囲は広くなりすぎるくらいで上等なのです。入試の試験範囲はとてつもなく広いのですから。

 そしてこれは、東京都立戸山高等学校に限らず、年5回定期テストを実施している高校にいえる致命的な欠陥ですが、やたらと校内実力テストが多いということです。

定期テストの回数が多い

テスト範囲が狭い

模試や入試など範囲の広い試験に太刀打ちする力が育たない

校内実力テストでその力を育てようとする

 進学校に多いのですが、やたらと上記の理由でこの類の校内実力テストを導入するケースが多いです。しかしぶっちゃけ意味ないです。大学入試は全国レベルでの入試になります。校内で何位などまったく意味をなさないのです。

 もちろん、『サイエンス∫プリキュア』ではありえません。そんな模試は、予備校に任せています。実力テストなんて日程を入れたら、ますます授業日数が圧迫されてしまうのは、火を見るより明らかです。

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