『倫理(2単位)』『政治・経済(2単位)』ではなく、『倫理、政治・経済(4単位)』としなければならない


 タイトルから見て、「えぇっ!? そんなバナナ!」と思った方もいらっしゃるかもしれません。ここまで来て、公民の負担を重くするのか? という感じです。

 でも、大前提となるのは、高等学校必履修科目。現課程における公民では、『現代社会(2単位)』または『倫理、政治・経済(4単位)』のどちらかです。『倫理』だけとか、『政治・経済』だけとかは、認められていません。大学入試センター試験には、『倫理、政治・経済』という科目がありますし、一応『世界史B』『日本史B』『地理B』と同じく、旧帝国大学レベルなら、その科目の受験が求められているものです。おまけに一橋大学では、2次試験で『倫理、政治・経済』という科目で受験することもできますから、一見すると『倫理、政治・経済』という科目が高校の授業にあってもいいと思うのですよね。

 ところが多くの高校ではこうやっていないのです。千葉県立千葉高等学校の社会のカリキュラムを見ればわかりますね。1年生で『倫理』、3年生で『政治・経済』を履修します。要するに、分割履修というものです。

 管理人が千葉県立千葉高等学校の生徒だったときは、2年生で『倫理(2単位)』『政治・経済(2単位)』を履修しました。とくに『政治・経済』はかなりの苦痛でした……。

 管理人の代の1学年は、9クラス(定員360人)でした。A組からI組まであって、そのうち、A組からH組までが、『政治・経済』の担当教師が同じだったのです。8クラスに相当します。2単位ということは、週に2コマの授業ということなので、その教師は週に16コマ授業を受け持っていたのです。

 2学期には、現代社会における種々のテーマに基づいて、ディベートをおこなう授業を展開していました。たとえば……

・消費税率を10%に引き上げるべきであるか?
・年金制度を存続させるべきか?
・ODAをやめるべきか?
・財政再建と不況対策、どちらを優先すべきか?
・外国人労働者を受け入れるべきか?

 数人でチームを組んで、肯定派と否定派に分かれて、討論をおこなうというものです。ここで注意したのが、8クラスがすべて同じテーマでディベートをやっていたわけではないということです。というわけで、教師も大変です。そのクラスにあった資料を用意しなければならず、違うクラスの資料を持ってきたということもありました。

 教師も間違えるものです。

 でもそれ以前に、8クラスも受け持たせること自体が無謀なのです。


 教師としては、生徒を管理しやすいし、成績のつけ方も統一しやすいから、いいのかもしれないですけれど、クラスごとに授業の進捗が違っているのにもかかわらず、「前の授業でどこまで話したか?」「このことは前の授業で話したか?」なんてことを生徒たちに聞いてくる有様なのです。

 管理人をはじめとした生徒たちにとっても、前の授業でどこまでやったかなど、実は覚えていないのです。当然です。火曜日に授業があったら、次の授業は金曜日、なんてこともあるのです。2日も間隔が開いてしまえば、もうアウトです。


 ではこれを、『倫理、政治・経済』として、週に4コマ、まぁ前半で『倫理』をひたすらやって、後半で『政治・経済』をひたすらやるとどうでしょう?

 週4コマですと、平日はほぼ毎日公民に触れることができます。ですので、生徒にとっても教師にとっても、前の授業の内容を思い出すということをしなくてもよくなります。当然8クラスも受け持つことができなくなるので、4クラスくらいになってしまうのですが、クラスの違いによる混乱を防ぐという意味でも、この2科目は一つにまとめるべきなのです。


 ちなみに、『大阪府立高槻上牧高等学校』は、『サイエンス∫プリキュア』『ソーシャル@プリキュア』の舞台となる高校ですが、3年生の前期、つまり4月から10月初旬にかけて、『倫理、政治・経済』を週8コマおこないます(選択で)。『倫理』の教科書内容の授業は9週間(2ヶ月)で終了。6月中旬の前期中間試験の試験範囲は、『倫理』の教科書内容全部です。夏休みをはさんで『政治・経済』も9週間で終了。前期期末試験は『政治・経済』の教科書内容全部です。

 1年、2年と公民に手を出さないでも、3年生の11月あたりには、『倫理、政治・経済』のセンター対策などすぐに終わります。1年、2年と英語と数学を徹底して勉強している彼らには、3年時における英語と数学のマーク模試など『メンテナンス』『お遊び』程度でしかないのです。英語と数学は2年生までに入試レベルまで完成させるプランを実行しています。

 だから3年時に公民の勉強をがっつりやることができるのです。

 高校受験の際の偏差値が高々52程度の高校から、大阪大学や京都大学に毎年多数現役合格者を出す所以です!



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