千葉県立千葉高等学校は、2年生で近現代史を学習させることで、生徒を慶應義塾大学に『受からなく』させている


 タイトルから見て、「えぇっ!? そんなバナナ!」と思った方もいらっしゃるかもしれません。世界史や日本史を勉強する際に、近現代史から勉強すると、受験に失敗してしまうのです。

 もう一度言います。世界史や日本史を勉強するときは、近現代史から勉強してはいけないのです。



 たとえば、綱島将人様の著書、『現役東大生が伝えたいやってはいけない勉強法(学研)』の160ページには、世界史や日本史の教科書内容の授業が終わるのは受験直前期で、近現代史が疎かになりやすい、と書かれてあります。一方で近現代史は入試頻出、ということで、対策不足に陥らないようにするべきだと書いてあります。しかしこれは大きな落とし穴です。

 いいですか?

 世界史や日本史は、近現代史が入試頻出だからこそ、入試直前に一気にやるというやり方が現実的なのです。

 大前提として、社会という暗記科目は忘れやすいですね。ということは、先に学習してしまうと、復習に時間を取られすぎてしまいます。結果的に英語や数学の勉強時間が圧迫されてしまいます。

 もっとも、1年生、2年生のうちに数学とか英語を徹底的に強化して、大学入試に耐えられるだけの基礎学力を身につけておけば、この2科目については成績が落ちにくいので、3年生ではこの2科目はメンテナンス的に、社会をガンガン勉強していけるわけなのです。世界史B、日本史Bを週8コマずつやっていけば、半年で入試レベルまで完成しますから。そんでもって、国公立大学の世界史や日本史の2次試験対策というのは、センター試験後に徹底してやれば済む話なのです(少なくとも京都大学なら大丈夫)。


 翻って、千葉県立千葉高等学校では、2年生で世界史A及び日本史Aを履修します。近現代史というものですね。そして3年生で時代をさかのぼって、と学習していくのです。しかし、慶應義塾大学の経済学部や商学部は、むしろ近現代史が入試頻出。というわけで、近現代の知識のメンテナンスをしながら、古代、中世、近世といった内容をインプットしていかないといけないのです。

 もちろん、英語の学力など十二分に到達していないですよ。だいたい、千葉県立千葉高等学校では、英語は複数の教材を並行して授業を進めていますから、全部中途半端に終わってしまうので、2年生までに慶應義塾大学の入試レベルまで完成させることなど、凡人にはほぼ不可能なのです。ましてや3年生まで授業を真面目に聞いていたら、センター試験ですらまともに突破できません。


 高校2年が終わるまでに、英語と数学を仕上げる、これが正しいやり方です。そして、『大阪府立高槻上牧高等学校』は、『サイエンス∫プリキュア』『ソーシャル@プリキュア』の舞台となる高校ですが、このやり方を取り入れています。だから、毎年多数の京都大学や大阪大学といった国公立大学への現役合格者を出すのです。


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