旧帝国大学の医学部保健学科看護学専攻は『文系数学』で戦える


 タイトルから見て、「えぇっ!? そんなバナナ!」と思った方もいらっしゃるかもしれません。旧帝国大学、すなわち北海道大学、東北大学、大阪大学、九州大学の医学部保健学科看護学専攻は、文系数学で戦えます。医学部ですよ? 一応理系ですからね? 数学Vは要らないのです。

 とりあえず、教学社から出ている、大学の過去問というのを見てみてください。旧帝国大学のレベルになりますと、文系理系と別れています。医学部保健学科看護学専攻を受ける場合、当然理系の本を買うのですが、数学はどんな問題が出るのでしょう? そして文系の本を見て、数学の問題を比較してみてください。

 北海道大学、東北大学、大阪大学、九州大学の医学部保健学科看護学専攻の数学の問題は、文系の数学の問題とまったく同じはずです。

 ならば文系なのか? というと、そうでもありません。理科がすごいことになっているからです。4つの大学の医学部保健学科看護学専攻の、センター・2次で必要な理科の科目および総合配点比率は以下の通りです。

・北海道大学

 センターは『物理・化学・生物・地学から2』。2次は『物理・化学から1』『生物(必須)』。センター:2次は300:450です。北海道大学は珍しいですね。生物を必須としているのはここくらいですか? ちなみに医学部医学科は、2次試験は物理必須になります。医学部医学科で物理を必須にしているのも珍しいです。工学部なら物理を必須としている大学は多いですけれど。

・東北大学

 センター・2次ともに、『物理・化学・生物から2』。センター:2次は500:750です。

・大阪大学

 センターは『物理・化学・生物・地学から2』。2次は『物理・化学・生物から1』。大阪大学のみ、2次試験の理科は1科目です。おまけに数学Vもいらないです。2次試験の負担は滅茶苦茶少ないのでお勧めです。ただし、センター:2次は600:400と、ほかの大学と比べて、センター試験の比率が高くなっています。

・九州大学

 センターは『物理・化学・生物・地学から2』。2次は『物理・化学・生物から2』。センター:2次は450:400です。

 センター試験はどこも理科は2科目必要なので、当然理系のクラスに行くことになるでしょう。でも、数学Vは要らないのです。ということは、数学Vは授業を受けるだけ無駄です。実は多くの受験生はこの事実を知りません。おまけに医学部であることに変わりはなく、医学部専用の超難問の問題集をやらされることもあります。受験直前になって、「医学部保健学科看護学専攻は数学Vは要らなかった。文系数学で戦えた」などと気付くようでは遅すぎです。

 でもかわいそうでもあります。受験生にとって時間は命です。高校では理系クラスに行って、受ける必要のない数学Vを受けさせられた。予備校では医学部コースに行って、やる必要のない超難問の問題を解かされた。これが実態です。大阪大学を受験する場合、センター試験で得点できないと即死亡ですよね。


 唯一の例外が名古屋大学です。ここは数学Vが要ります。理科もセンター・2次ともに、物理、化学、生物から2科目を選択する必要があります。センター:2次の比率も、900:1500と、圧倒的な2次重視であることがわかります。

 何が言いたいのかというと、自分の志望する大学を学部単位まで早めに決めて、それに見合った対策をすることが大事であるということです。


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