高校数学は単元別に学習するな 〜段階別学習の奨め〜


 高校数学の勉強ってどのようにすればよいか? という質問が、小学生、中学生から多数寄せられます。

 ポイントとなるのは、下の動画の5分08秒からの勉強を『しなければ』いいのです。



 数学T・Aを入試レベルまで仕上げるということをしなければいいのです。

 この少し前に、数学T・Aの白チャートをやって、次に数学U・Bの白チャートをやって……ある程度入門を固めたら、次に数学T・Aの黄チャートをやって、数学U・Bの黄チャートをやって……とやっていくのは、ナンセンスだということです。まぁ、そうだよなぁ、と管理人も思いました(理由は後で示します)。

 しかし、その次の発言です。これは、高校数学ができなくなる人の勉強法です。

 どういうことかといいますと、数学T・Aの白チャートを仕上げた後、黄チャートをやって、青チャートをやって、赤チャートをやって……と入試レベルまで完成させてから、数学U・Bの白チャートをやって、黄チャートをやって、……とやっていくのです。

 こんなことを許していたのならば、たとえば数学Tの第1章は『数と式』ですか。『数と式』の白チャート、黄チャート、青チャート、赤チャートと、まず『数と式』という単元を入試レベルまで完成させてから、第2章『2次関数』の白チャート、黄チャート、青チャート、赤チャートってか?

 このように、ある単元を学習するときに、基礎から応用、発展レベルまで一気に学習を進めていくやり方を、『単元別学習』といいます。高校数学、とりわけ大学入試の数学を突破するために、このような勉強をすることは大変危険です。

 なぜこのような勉強が危険なのかを説明します。

 数学というのは、『入門レベル』『基礎レベル』『応用レベル』『発展レベル』があります。チャート式の色で考えてみますと、

入門レベル…高校数学の概要をまとめたもの。要するに教科書レベル。白チャートがこれにあたります。

基礎レベル…高校数学を身につけるための必要な知識。公式や解法の暗記がこれにあたり、黄チャートに該当します。

応用レベル…基礎レベルで身につけた知識が、実際にどのような形で入試数学で出題されているかを調べるもの。青チャートが代表的。

発展レベル…その単元で身につけた内容が、『別単元』にてどのように応用されているかを知ること。赤チャートが一般的。

 このように、それぞれのレベルにて求められる知識が異なっているのです。ある単元について、一度に入門から基礎、応用、発展レベルをこなそうとすると、混乱が生じやすくなってしまいます。


 また、別の問題として、習得するのに要する時間は、入門レベル<基礎レベル<応用レベル<発展レベルとなります。また数学の場合、後に学ぶ単元ほど難しくなる傾向にあります。

 単元別学習は、前の単元から順番に学習していくため、

 より簡単な単元により多く、

 より難しい単元により少なく、

 学習時間をかけることになりがちです。


 とくに理系数学の場合、下の動画にもある通り、数学Vは間に合わなくなる可能性があります。数学T・Aの入試レベルまで完成させてから数学U・Bの基礎を始めようとすると、数学Vの勉強を始めようとしたときには、もう入試直前、なんてことにもなりかねません。




 さらに致命的な問題として、勉強習慣の確立は、序盤が最も難しいです。三日坊主の壁という言葉もあります。勉強が習慣化すると、勉強することが苦にならないのです。

 そして数学Aの『確率』『整数問題』というのは、高校数学の中でもとくに最難関ともいわれており、応用から発展をやっていると、間違えやすく、進めにくくなります。1問あたり20分くらいかけないと解けない問題などもザラです。


 勉強習慣が未熟な時こそ、手ごたえがないと、子どもの心は簡単に折れてしまいます!





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